VIP対応がスタッフを疲弊させる理由

目次
- VIP対応は「特別扱い」じゃなくて「過剰負担」になってない?
- なぜVIP対応って生まれるんだろう
- 過剰なケアが「クレーマー体質」をつくってしまうことも
- スタッフが疲弊するのは、こういうとき
- 組織としてどう向き合うか
- おわりに
VIP対応は「特別扱い」じゃなくて「過剰負担」になってない?
美容医療の現場では、一定数の「VIP患者」がいますよね。
高額施術を受けてくれる方、紹介につながる方、長く通ってくれる方──経営的には本当に大切な存在です。
でも、現場スタッフの立場からすると「VIP対応」が必ずしもやりがいになるわけじゃなく、むしろ疲弊につながることも多いのではないでしょうか。
なぜVIP対応って生まれるんだろう
美容医療はリピートや紹介がとても大事なビジネスモデルです。
だからこそ「VIPを大事に」という文化が強く根づいています。
・特別枠での予約
・いつも以上に丁寧な説明やフォロー
・優先的な施術アレンジ
こうした対応は、一見「満足度を上げる工夫」に思えます。
でも実際は、現場スタッフの過剰な負担としてのしかかってくる場面も少なくありません。
過剰なケアが「クレーマー体質」をつくってしまうことも
VIPだからといって必要以上に気を遣う。
その積み重ねが、逆に「言えば必ず対応してもらえる」という学習につながってしまうケースもあります。
・ちょっとした不安も即フォロー
・希望には最大限応える
・不満があればとりあえず謝罪
……こうしたやり方が、気づけば“クレーマー体質”を育ててしまうこともあるのです。
「VIP扱いが当たり前」になった人ほど、わずかな期待外れに強い不満をぶつけやすくなる──そんな経験、現場で感じたことはないでしょうか。
スタッフが疲弊するのは、こういうとき
VIP対応が常態化すると、現場にはこんな空気が広がっていきます。
- 特定スタッフに負荷が集中する
対応力のある人ほどVIP担当に回され、心身の消耗が早まる。 - 対応差でモチベーションが下がる
「普通の患者さん」とのギャップが大きいと、どうしても不公平感が残る。 - 心理的安全性が薄れる
「VIPに嫌われたらどうしよう」と萎縮してしまい、のびのび働けなくなる。
組織としてどう向き合うか
VIP対応は「数字を守る」手段のように見えますが、実際には一部の患者に依存する体質を強める危うさもあります。
「大切にすること」と「特別扱いすること」は、本来ちがうはず。
でも、その線引きが曖昧なまま続けてしまうと、結局は現場が疲弊してしまいます。
おわりに
美容医療の現場でのVIP対応は、工夫次第でプラスにもなれば、逆にマイナスにもなり得ます。
- 特別扱いが過剰ケアにつながる
- 過剰ケアがクレーマー体質を育てる
- そして現場スタッフの消耗が加速する
「VIP対応って、本当に誰のためになっているのだろう?」
そんな問いかけが、組織全体を守る第一歩になるのかもしれません。

