美容医療のリアル｜なぜ毛穴が目立つと肌が汚く見えるのか

2025年12月7日 2025年12月7日

北條渚

毛穴が目立つと肌ツヤに響く

シミやシワよりも、
毛穴が目立つ方が肌全体の印象が落ちるように感じます。

毛穴が開いていると、
どれだけ肌が整っていても
どこか疲れて見えたり、
メイクのノリが悪く見えたりする。

肌ツヤがにごる。
それが、毛穴の存在感の正体なのかもしれません。

同じトーンの肌でも、
毛穴が整っている人は清潔感があり、
それだけで肌の質がまったく違って見えることがあります。

光が乱れると、肌はくすんで見える

なめらかな肌は、光を均一に反射します。

けれど、毛穴の開きや皮脂による凹凸があると、
光が吸収されて小さな影ができてしまう。

この影が積み重なることで、
肌全体がくすんで見えるのではないでしょうか。

つまり、毛穴＝汚れではなく、
光が乱反射している状態なのだと思います。

その乱れが集まると、
実際の肌よりもトーンが下がり、
どこか疲れたような印象につながってしまうのかもしれません。

清潔感の正体は「均一さ」

人が「肌がきれい」と感じるとき、
それはトーンや透明感よりも、
表面の均一さに反応しているように思います。

毛穴が整っていると、光がまっすぐ反射して、
肌がフラットに見える。

反対に、毛穴が開いていると光が乱れ、ムラが生まれる。

この小さなムラが、
清潔感を損なって見える要因なのかもしれません。

実はメイクでも、
この光の乱れを補正する工夫が多くあります。

下地に光を反射するパールやピグメントを入れたり、
パウダーにラメを混ぜたりするのはそのため。

毛穴を埋めるようなシリコン系の下地も、
表面の凹凸を整えて光を均一に反射させる目的があります。

つまり、
清潔感とは、肌の色ではなく光の通り方の問題。
それを補っているのが、日常のメイクなのかもしれません。

毛穴を整えると、肌に均一さが戻る

治療を続けていると、

「トーンが上がった」
「肌がやわらかく見える」

そんな変化を感じる方も多いのではないでしょうか。

それは毛穴がなくなったからではなく、
肌表面の凹凸が整い、
光が乱反射しにくくなったから。

毛穴を整えるというのは、
単なる見た目の変化ではなく、
肌全体の印象を変える行為に近いのかもしれません。

肌の面が整ってくると、
ファンデーションのノリが変わったり、
表情までやわらかく見えたりする。

その違いに気づくとき、
肌って本当に印象の器なんだなと感じます。

見た目の変化より、印象の再構築を

毛穴が目立つと肌が汚く見えるのは、
汚れているからではなく、
構造が乱れて光が届かないからではないでしょうか。

だから、毛穴をなくすというよりも、
肌表面の乱れを整えて、乱反射しない状態にしていく。

美容医療でできることは、
この「表面の整い方」をサポートすること。

たとえば、
表皮のキメを整えるトーニングやピーリング、
真皮の弾力を支えるポテンツァやRF治療、
皮脂や角質のバランスを整えるメソナJやハイドラフェイシャル。

それぞれが作用する層は違っても、
目的は同じだと思います。

肌の乱反射を減らして、
キメが整って見える状態をつくっていくこと。

ファンデーションで隠していた影が、
肌そのもののなめらかさに置き換わったとき、
印象が変わったと感じられる瞬間が
あるのではないでしょうか。