美容医療のリアル｜40代が「やりすぎない美容」に行き着く理由
北條渚
目次
- 周りもみんなやってるよ？と言われても
- 氷河期世代の投資への慎重さ
- 3. 比較の渦とちょうどいい美容
- 4. 40代に選ばれる人気施術とは
- 5. 「やりすぎない」は諦めではなく選択
1. 周りもみんなやってるよ？と言われても
「美容医療、周りもやってるし、もっとやってもいいんじゃない？」
そんな言葉をかけられても、40代女性の多くはどこかでブレーキをかけてしまうのではないでしょうか。
本当はやってみたい施術があっても、心の奥で「やりすぎたらどう思われるだろう」と考えてしまう。
そこには40代ならではの社会的な背景が色濃く影響しているように思います。
2. 氷河期世代の投資への慎重さ
今の40代は、就職氷河期を生き抜いてきた世代。
「頑張っても報われにくい」という経験が、美容を含めた自己投資への慎重さにつながっています。
さらに、家庭や社会からの視線も避けられません。
子どもにお金がかかる時期に「母親なのに」と思われたくない
パートナーから「そんなことにお金を？」と見られる不安
職場で「見た目ばかり気にしている」と思われないか気を遣う
こうした立場の重なりが、「自分だけのために投資すること」への迷いを生んでいるのではないでしょうか。
3. 比較の渦とちょうどいい美容
40代は比較の渦にも巻き込まれやすい年代です。
同世代の中で
「若く見える人」と「老けて見える人」の差が目立ち、
SNSを開けば20代や30代の美しさが基準になる。
上を見ても下を見てもキリがなく、心が疲れてしまうこともありますよね。
だからこそ、「疲れて見えない程度」「清潔感がある程度」で十分。
ちょうどいい美容を選ぶことで、無理なく日常に馴染ませられるのだと思います。
4. 40代に選ばれる人気施術とは
実際に40代に支持されているのは、
外科的に大きく変える治療よりも、美容皮膚科のメニュー。
光治療（IPLやレーザー）：シミ・くすみを改善し、肌トーンを整える
表情筋ボトックス：表情ジワを和らげ、自然な若々しさを保つ
ピーリングやスキンブースター：肌質を底上げし、清潔感を出す
いずれも
「やったことが周囲に気づかれにくい」
「継続しやすい価格帯」であることが特徴です。
つまりやりすぎない美容は、意識高い自由な発想ではなく、
社会的背景に合わせて選ばざるを得ない現実的な落とし所だとも言えるのです。
5. 「やりすぎない」は諦めではなく選択
こうしてみると、
40代が「やりすぎない美容」に行き着くのは、社会的・家庭的な制約の積み重ねによる必然です。
けれどそれは諦めではなく、
「今の立場を守りながらも美容を楽しみたい」という前向きな選択。
自由に投資できる環境は、もう少し先に訪れるかもしれません。
でも、その時々の現実に合わせてちょうどいい美容を見つける力こそが、
40代の強さなのかもしれません。
