美容医療のリアル｜肌育注射とは？― ヒアルロン酸でもPRPでもない、肌そのものを育てる新しい選択肢 ―
北條渚
目次
- 「肌育注射」って、なにを育ててるの？
- スキンケアでは届かない奥の層
- 肌育注射＝スキンブースターというカテゴリー
- 「どこに効くのか」を知ると、選び方が変わる
- 育て方で結果が変わる
- 再生できる肌を取り戻すということ
「肌育注射」って、なにを育ててるの？
最近よく聞く肌育注射。
でも実際に、なにを育てているのか
わかっている人は、意外と少ない気がします。
リジュランでツヤツヤ、ジュベルックで毛穴レス
さもお手軽、といった表現が並ぶけれど、
その一方で 思ったより変化がわからなかった という声もある。
──美容医療のリアルは、そのあいだにあります。
スキンケアでは届かない奥の層
40代になると、
スキンケアを頑張っても 効かなくなってきた ような感覚が出てくる。
乾燥、ハリの低下、メイクのノリ。
どれも表面のケアでは届かない深さで、少しずつ進んでいる変化。
肌を育てるという考え方は、
そんな もう少し奥 にアプローチしたい人の間で
広まり始めたように思います。
肌育注射＝スキンブースターというカテゴリー
でも最近の広告やSNSを見ていると、
肌育注射＝美肌注射 と
ひとくくりにされていることも多い。
けれど実際は、
スネコス・リジュラン・ジュベルック。
それぞれに成分も、得意なことも違います。
肌育注射＝スキンブースター と呼ばれるカテゴリー。
目的は 肌をふっくらさせる というより、
肌の機能を立て直す ことにあります。
- スネコス：アミノ酸＋ヒアルロン酸でエラスチンをサポート
- リジュラン：サーモンDNA由来のPN成分で修復と鎮静
- ジュベルック：ポリ乳酸でコラーゲン再生を促す
どれも 自分の肌が働き出す ように設計された注射で、
即効性よりも、少しずつ 肌の質を整えていく タイプです。
「どこに効くのか」を知ると、選び方が変わる
肌は大きく分けて、表皮・真皮・皮下組織の三層でできています。
スキンブースターが働きかけるのは、ちょうど真ん中の真皮層。
この層には、コラーゲンやエラスチンなど、
肌のハリをつくる繊維がぎっしり詰まっています。
でも、年齢とともにその繊維がゆるみ、
細胞の再生スピードも少しずつ遅くなる。
その結果、肌表面のハリや弾力が減って、
ファンデーションのノリまで変わってくるんですね。
スキンブースターは、
その真皮の働きをもう一度目覚めさせるように設計された治療。
栄養を与えるというより、
肌にスイッチを入れるイメージに近いです。
育て方で結果が変わる
たとえば、
スネコスは「くすみ・ちりめんジワ」に、
リジュランは「乾燥・炎症肌」に、
ジュベルックは「毛穴・ニキビ跡」に向いていると言われます。
同じ肌育でも、
どこを育てたいかによって、
選ぶ治療は変わってくるんですね。
再生できる肌を取り戻すということ
年齢とともに減っていくのは、
コラーゲンやエラスチンだけではなく、
肌が再生する力そのもの。
だからこそ、
外から何かを足すのではなく、
内側がもう一度働けるように 呼び戻すという考え方が
少しずつ注目されているのかもしれません。
ヒアルロン酸でもPRPでもない、
第三の選択肢。
それが 肌育注射（スキンブースター）。
肌の緩みを引き上げるのではなく、
支える構造を補強する。
そんな内側の土台づくりが、
これからの美容医療のスタンダードになっていく気がします。
