美容医療のリアル|数字で見る「シニア美容市場」の拡大

目次
- 肌感と数字のギャップ
- 高齢者の人口シェアと就業実態
- 消費支出の年代別傾向と生活シーン
- 世帯構成の変化と消費のボリューム
- 都心のアクティブシニアというリアル
- 美容医療は若者だけのものじゃない
- 筆者プロフィール
肌感と数字のギャップ
「美容医療って、若い人のもの」というイメージ、
なんとなく持っていませんか?
でも、
実際に来院する患者さんは、50代・60代の姿も意外と多い──。
今日はそのリアルを、数字と生活背景を合わせて見ていきたいと思います。
高齢者の人口シェアと就業実態
日本では、65歳以上が総人口の約3割を占めています。
さらに、65〜69歳の約半数、
70〜74歳でも3人に1人がまだ働いているというデータもあります。
「もう引退世代」ではなく、「現役で社会参加している人」が多い。
こうしたアクティブシニアの存在が、美容医療市場を下支えしているのです。
消費支出の年代別傾向と生活シーン
数字だけ見ると、50代が家計消費のピーク。
子どもが大学を卒業し、住宅ローンも完済に近づく頃、
ようやく「自分のために使える」余力が出てきます。
- これまでの20年は教育費と住宅費に追われてきた
- ようやく自分自身に手をかけられる時間が増える
- 旅行や趣味と並んで、美容医療も選択肢に入りやすい
つまり数字の背後には、
「お金も時間も少し自由になった50〜60代」の暮らしがあると想像できます。
世帯構成の変化と消費のボリューム
総務省の統計によれば、65歳以上が世帯主の世帯は全体の約45%を占めています。
この割合は年々増えていて、
「シニア世帯の消費=社会全体の消費」と言えるほど大きな存在感になっている、
とも言えるのではないでしょうか?
月ごとの消費支出は20万円強。
決して突出して高いわけではありませんが、
食費や日用品に加え、余力があれば医療や趣味、美容に回すケースも少なくないと思います。
「限られた中でも自分の楽しみに投資したい」という心理が、
数字の中から浮かび上がっていると感じます。
都心のアクティブシニアというリアル
特に都心部では、現役並みの所得を維持しているシニアも珍しくありません。
定年後も会社に残る、専門職で働き続ける、
あるいは不動産収入や投資を得ている──。
こうした層は
「時間もお金もある」
「外見を整えて人に会いたい」という動機が強く、
実際にクリニックのLTV(生涯来院価値)を支える存在になりやすい。
数字には表れにくいけれど、
都心で美容医療を見ていると、確かにこうしたアクティブ層の姿が目立ちます。
美容医療は若者だけのものじゃない
「美容医療は若者だけのもの」
──そんな固定観念は、数字と生活背景を重ねてみると薄れていきます。
子育てや住宅ローンから解放され、
働き続けるシニアが増え、
余裕をもって自分に投資する人が増えている。
それがマーケットの現実です。
この数字やシーンからどんな未来を思い描けますか?
「私もその時期になったら…」と想像するだけで、少し視界が広がるかもしれません。

