美容医療のリアル──なぜこの業界は批判されやすいのか?100記事目の私の実感

目次

  1. 美容医療業界の批判されやすさ
  2. 価格へのハードル
  3. 見えにくい収益構造の影
  4. SNSがつくる情報のゆがみ
  5. 情報があふれる現場で
  6. 結びに

美容医療業界の批判されやすさ

「美容医療って、効くけど結局お金かかるよね」
「一生もつわけじゃないし、続けるとなると大変そう」


SNSや世間の会話の中で、そんな言葉を耳にするたびに、

なんとも言えないモヤモヤを感じます。

確かにそれは事実でもあるけれど、美容医療はぜいたくや気まぐれではなく、

日常を守るための選択肢にもなり得るからです。

それでも、なぜここまで批判されやすいのか。

100記事を書いてきた中で見えてきたのは、施術そのものではなく、

業界が抱えるいくつかのジレンマが影響していてはいないか、という仮説です。


価格へのハードル

美容医療に対して

「価格が見えにくい」

「予約が取れない特別なお店みたい」

と感じる人も少なくありません。

実際、「トータルでいくらかかるんだろう」と不安になり、

一度も踏み入れられないままの人もいると思います。

けれど、実際には探せば

自分の予算に合った治療を受けられるクリニックも存在します。

問題は「どこで情報を得て、どう比較するか」。
この入り口の部分でつまずいてしまう人が多いのかもしれません。


見えにくい収益構造の影

美容医療は一見すると順調に広がっているように見えますが、

その水面下には一般の方には伝わりにくい課題も潜んでいます。

・医師不在で行われる治療行為
・オンライン診療で、本来は不要な処方が安易に出されてしまうこと
・十分な研修がないまま、短期間でデビューさせられてしまう現場


ニュースで表に出ているのはごく一部にすぎず、

水面下ではもっと多くの問題が表面化していないだけかもしれません。

その一方で、必要な人に必要な情報が届かず、

一部の加熱した報道やSNSの言葉に翻弄されやすいのも、

この領域の特徴だと感じます。


SNSがつくる情報のゆがみ

SNSで目にするのは、症例写真や価格、キャンペーンの情報がほとんど。
患者の関心ごとも、

  • 治療を受けたら結果どうなるのか?
  • 自分に合っているのか?
  • 費用対効果はどうなのか?

──大抵このあたりに集中しています。

けれど実際に治療の質を支えているのは、

医師のトレーニングやスタッフの研修、機器の導入や使い分けといった土台の部分です。

そこに注目が集まることは少なく、評価されにくいのが現実です。

かつて「直美(=医学部を出てすぐ美容医療に入る若手ドクター)」

という言葉が世間で広がったとき、

初めて一般の方が「医師の経験や背景」にまで関心を持つ動きとなったと実感しました。


それくらい話題性がなければ、治療の土台の部分はなかなか可視化されない。
ここに、美容医療の情報がゆがむ大きな理由があると感じます。


情報があふれる現場で

さらに業界の中を見渡せば、医師向けのセミナーや学会が乱立しています。
すべてに参加できるわけもなく、結局どの情報が正しいのかは誰にも分からない。

私自身も日々発信しながら、同じ疑問に何度も立ち止まってきました。

だからこそ思うのです。

規制やルールを待つよりも、

受け手である患者が「見抜く力」を持つ方が早いのではないかと。


鵜呑みにしないこと。
比較すること。

そして「今の自分を正しくとらえる視点」を持つこと。

それが、混乱した情報社会の中で自分を守るための、

もっとも現実的な方法なのかもしれません。


結びに

美容医療はなくならない。けれど「正義」とも呼ばれにくい。

批判されやすい背景には、いくつものジレンマが存在しています。
その現実を理解したうえで、

発信する側も受け取る側も、もう一度透明性を問い直していく。

それが、これからの100記事を重ねる中で、私が向き合いたいテーマです。


📚 前編はこちら
美容医療のリアル──どこから知識を得るかで変わる、100記事目の実感
https://note.com/nagi_realbeauty/n/n9d105f347307

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