引き算美容の落とし穴──洗わないスキンケアで気づいたこと

目次

  1. 引き算ケアこそ正義だと思ってしまった時
  2. 敏感肌に傾いた私が出会った、洗わないスキンケア
  3. 最初の数日は、期待でいっぱいだった
  4. うまくいかなかったのは、肌が教えてくれていた
  5. スキンケアは、信じるものではなく観察するもの
  6. 今の私が思うこと

引き算ケアこそ正義だと思ってしまった時

「肌を育てる」「余計なものは使わない」。

雑誌や、WEB記事でも引き算美容という言葉を耳にします。

 ミニマルで清潔な印象があり、なんとなく肌にも良さそう。

私もその考えに共感し、
シンプルなケアこそ肌を整える近道だと思っていました。


でも──。
実は引き算しすぎて、肌を壊してしまった経験があります。


敏感肌に傾いた私が出会った、洗わないスキンケア

なんとなく肌の調子が落ちてきた頃、
ある記事の見出しに目がとまりました。

「陶器肌を目指すなら、角質を育てましょう。」

その言葉に惹かれて読んでみると、
「洗顔しすぎが肌を弱くする」と書かれていました。


育てるという考え方にも共感して、
どこか救われる気がしたのを覚えています。

そのスキンケアは、決められた化粧水を独自の使用方法で使い切るというもの。

届いた化粧水は、ボトルも処方もシンプル。
肌に必要なものだけを詰め込んだようなコンセプトでした。


朝晩の洗顔を控え、
保湿もその1本だけ。

いわゆる洗わない美容法を、私は本気で始めてみたのです。


最初の数日は、期待でいっぱいだった

肌がつっぱらず、しっとり落ち着いた感じがして。
「これが育つってことなのかも」と思いました。

でも、3日目を過ぎたあたりから違和感が。

ざらつき、小さな白ニキビ、Tゾーンのテカリ。
 
それでも「角質が整うまでには時間がかかる」と思い込み、
そのまま1か月ほど続けてしまいました。


結果、肌はどんどん扱いにくくなり、
Tゾーンは油っぽく、手触りもザラザラ。


見た目にもどんよりとくすんで、透明感どころか、黄色くなった印象に。


うまくいかなかったのは、肌が教えてくれていた


後から振り返ると、
肌は最初からサインを出してくれていたんだと思います。

  • 肌に合うかを見極めず、口コミを信じてしまった
  • 「育てる=我慢」と思い込んでいた
  • 洗わないことで、角栓や汚れが蓄積していた

私の肌の不調は、
インナードライが原因の乾燥から来る赤み。

何より、私は「効果を出すには耐えるのも大切」と
どこかで思い込んでいたんです。


けれど本当は、肌ってすごく正直で
ヒリつきも、ざらつきも、皮脂の変化も、
全部「いま、負担がかかってるよ」という小さなSOSを出しています。


それを「好転反応」や「一時的な変化」だと信じ込んでいたから、
自分の肌の声を聞く力が鈍っていったんだと思います。


育てるという言葉に救われたつもりが、
本当は、観察をやめてしまっていたのです。


スキンケアは、信じるものではなく観察するもの

肌の調子が悪いときほど、
「何かを足せば」「何かを変えれば」と焦ってしまう。


でも、肌はそんなに急には変わりません。
むしろ、焦りがスキンケアを迷走させることもある。

必要なのは、反応を見極める冷静さ

  • 赤みが出たのは乾燥?それとも刺激?
  • ざらつきは古い角質?それとも皮脂バランスの乱れ?

ひとつずつ切り分けて、
今の自分の肌を観察することが、
結局いちばんの近道だと感じます。


肌はデータでも理論でもなく、
毎日少しずつ変わる生きた臓器。


信じたい理想よりも、
今日の肌をちゃんと見てあげることのほうが、
よっぽど確かなケアになるんだと実感しました。


今の私が思うこと

肌を「整える」って、我慢でも努力でもなく、
肌を観察しながら、正常な状態を取り戻し、維持すること。


思い込みほど、危ないものはありません。


少しマニアックなメソッドがハマる人もいるけれど、
それが王道にならない理由には、やはり意味があると思います。

美容医療も、きっと同じ。

一部のアグレッシブな治療だけが注目されがちですが、
多くの人に支持される治療こそ、
トラブルが少なく、再現性が高い証拠ともいえます。

流行りよりも、「普及しているもの」に目を向ける。


それは、結果よりも続けられる美しさを選ぶということで
信じるより、観察するほうがずっと誠実である、と今はそう感じています。


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