「思ってた仕上がりと違う…」──カウンセリング不足が生む美容医療のミスマッチ


「思ってたのと違った」──
そんなふうに感じてしまうとき。

それって、本当に施術が失敗だったのでしょうか?

美容医療って、治療後の満足度が注目されやすいけれど、
実は「満足」と「納得」って、ちょっと違うものだと私は思っています。

たとえば施術のあと、
「もっと変化があると思ってた」
「なんか、理想とちょっと違う」

そんな声が出てくること、実際によくあります。

それは技術の問題とは限らなくて、
「自分が思っていた仕上がり」「ドクターが目指していた完成形」
そのあいだにズレがあった、ということも少なくありません。


骨格も、肌質も、理想の形も、人それぞれ。


顔立ちには、髪型のように分かりやすい型があるわけではありません。

いくら写真やイメージを見せても、まったく同じにはならないし、そもそもなれない。

それは、骨格や脂肪のつき方、肌の厚みや肌質、
表情筋の動かし方などが人によってすべて違うから。

だからこそ、美容医療では「見極め」がとても大切になります。

どんなに小さな施術でも、カウンセリングの段階で
「どうなりたいのか」「何は避けたいのか」まで、
できるだけ丁寧に言葉にしていくことが大事なんじゃないかなと思います。


ピッタリ価値観が一致しないこともある。


だからこそ、一緒に見つける姿勢が大事。

医師と患者が、まったく同じ美的センスや価値観を持っているとは限りません。

仕上がりのちょうどよさに、微妙な差があることもあります。

でも、それを前提に話を重ねていけば、
その人にとっての正解を探していくことはきっとできるはず。

だから私は、正解を決めつけるのではなく、
「どこが心地よい境界線なのか」を一緒に探してくれるドクターと出会うことが、
美容医療では何より大切だと思っています。


「誰かの顔」じゃなく、「自分にとってうれしい顔」へ。

誰かにとってのベストが、自分にとっての正解とは限らない。

そのことを、私たちはもっと意識してもいいのかもしれません。
美容医療のゴールを「理想の誰か」に置いてしまうと、
どこまでやっても、満足感は遠ざかってしまうことがある。

大切なのは、
「いまの自分の顔とちゃんと向き合えているかどうか」


そして、「自分にとって、どうなったらうれしいか」をちゃんと考えることなのではないでしょうか。

美容医療って、誰かに似せるための手段じゃなくて──
自分の美への価値観を少しずつ育てていく過程なんじゃないかな、と私は思っています。


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